「延期ですがなにか ~トリ。巣篭ります~」緊急インタビュー

4月16日~19日公演を予定していたユトサトリ。が延期を発表した。

彼女らは今何を思っているのか?

トリ。メンバーの大竹ココ、大原富如、キャンディ・猫子に話を聞いた。

※※なお、このインタビューは大竹ココの脳内で行われており、記者も大原も猫子も、すべて大竹ココの脳の産物である。しかしながら大竹ココなりにリアルを追求したインタビュー記事になっている。


記者  今回、新作2本立てを予定していた「トリのとまり木」公演、延期とのことですが……。


大竹  はい、そうですが。


記者  大変落ち込んでいる時だとは思うんですが、今何を思っているかお聞かせください。


大竹  落ち込む? は、誰が? え、どうして? おん、どんな風に? 


記者  あ、ごめんなさいごめんなさい。何を、何を今思っていますか? 

   

大竹  ……落ち込んでるとかではないですけどね。まあ、私たちが公演を避けた、というよりは公演が私たちを避けた、っていう方がしっくりきますかね。(煙草の煙を吐く。)


記者  公演が、ユトサトリ。を?


大竹  はい。今回のユトサトリ。は気合入ってましたからね。短編といえど新作2本立て。「〆!」は私の柔道部時代のツテを駆使して、スタジオ空洞に柔道畳を敷き詰める計画をしていましたし、「MINE」に関してはモノローグとダイアローグ、ムーブメントを融合させた作品に挑戦していて、ザ・会話劇とダンサブル劇、ボリューム満点の2作になる予感がしていました。

 「〆!」には私と大原、「MINE」には佐藤が分かれて出ていて、それぞれのチームの役者さんたちも一癖二癖あって面白くて、座組一同士気が高かった。

そんな私たちを前に公演の方が恐れおののいて逃げていったんですね。


記者  あくまでコロナウイルスのせいではないと?


大竹  コロナ? なんですかそれ? 美味しいんですか?


記者  ……いえ。今回、公演が延期ということで劇場の方はキャンセルされてしまったとのことなんですが、例えば他の劇団がやっているような無観客上演ですとか、本番のライブ配信などそういった企画は行わないのでしょうか?


大竹  行いません。


記者  即答……。理由をお聞かせ願いますか?


大竹  大原さん。


大原  質問を返すようで恐縮ですが、記者さんは劇場で観るべき公演を画面越しに観たいと思いますか?(足を組みながら。)


記者  ええ、いや、まあ……。


大原  質問を変えましょう。記者さんは舞台を生で観たいですか?それとも画面越しに観たいですか?


記者  それはまあ、どちらかといえば生で観たいですけど。


大原  なぜでしょう?


記者  やはり舞台は生ものっていうくらいですから。今自分の目の前で役者さんが演じているという状況と、画面越しに演じている姿を見ている状況、同じ「今」ですけど、同じようで全く違うんじゃないでしょうか。


大原  出てるじゃないですか。


記者  え?


大原  出てるじゃないですか。答え。


記者  ……おお(うっぜえー)。


大原  今目の前で起こっていることをみんなで見る。これってもうすごいことじゃないですか。舞台上で役者さんが相手の役者さんを動かして、動かされてる、のをお客さんが見て、それを演じている側も感じて……もう、とっても複雑なコミュニケーションがこう、こう、行われているわけですよ! 劇場では!


記者  大原さん。


大原  もちろん映像にしても面白いっていうのはあると思います。ゼロじゃない。寧ろそれ目的のものがたくさんある。だけどそれだって、映像と生とじゃ受けるものが全然違うと思うんです。……ああ!!!!


記者  な、大原さん?


大原  つまり! 映像で面白いもの、生で面白いもの、どっちもあっていいんです。その中でユトサトリ。は、生にこだわりたい。


大竹  あの、さっきからナマナマ言ってて気になっちゃうので、ここからは「ライブ」という言葉に切り替えましょうか。


大原  え? なんで?


大竹  いいから。


大原  ……そう、ユトサトリ。はあくまで「ライブ」にこだわりたいんです。私たちが今まで作品に求めていたことは「ライブ」で相手と関わることだったので。

 例えば通話やテレビ電話なんかで対話をする「ライブ」を舞台上ではなく配信でお届けする、といったことなら納得できるんですが、それ目的ではない作品を画面越しに発表するというのはあんまりピンとこないんですよね。


記者  (結構言うなあ……。)


大竹  しかもうち動画撮るような機材ないし、お金もかかるし、よく分かんないし……(ぼそぼそ)。


大原  ねえっ!


大竹  ぺい。


記者  えー、あ、じゃあ、猫子さんはどうお考えですか?


猫子  ……。


記者  猫子さん? ……猫子さん!


猫子  あ、はい、寝てました。


記者  猫子さん!


大竹  今回の延期、どうかって。


猫子  えー、あー、ま、ぶっちゃけ猫子はぁ、割と早い段階でヤバいと思ってたんですけどぉ、あ、さとり世代なんで悟っちゃってたって言うか。


記者  ほお。


猫子  まあでも、それを最初2人に言ったら、大竹さんキレちゃって、揉めまして実際、結構(笑)。で、話し合いも何回かして「やる方向で」ってことになったんですけど。こないだの自粛要請出てからはさすがにヤベェぞと。ちょっと自分たちの力ではどうにもだぞって。


記者  ここに至るまでに様々なことがあったんですね。


大竹  会わないと揉めやすい3人なんですよね。文字だけのやり取りだと高確率で揉めます、うち(ユトサトリ。)は。


猫子  ちょっと熱くなりすぎるところがあるんですよ、ゆとり2人は。さとり的には、そこついていけないよー的な。でもみなみも話し合いしてからは「本番やるぞ」っていうマインドに切り替えて、振り考えたり、衣装考えて発注したりしてたので、延期に決まってからは、結構キてますね。


記者  佐藤さんは「MINE」出演予定でしたが、どんな役だったんですか?


佐藤  ちょっと不思議な役どころをいただいてまして。


大原  もう、ほんとに見てほしかった。マジ可愛かったから。


猫子  キャンディ・猫子の人生で初めて「可愛い」って言われる役だったので。それが先延ばしにされたってことがマジで一番の癪(しゃく)ポイントですね。まあ、次の公演、見ててくださいよ。


記者  楽しみです。猫子さんはユトサトリ。のスタイリスト的な立ち位置にいるんですか?


猫子  そうですね。役者のほかに、主に振付や、衣装、スタイリングを担当しています。


記者  ちなみに今回の延期の告知に使われている写真、とてもカッコいいんですが、もしかして延期の告知のために……?


猫子  当り前じゃないですか。いつでも本気なので。延期の告知一つに対しても手抜きはできません(嘘)。


記者  (く、狂ってやがる……。)


大竹  決して、4月1日に新ビジュアル公開しようと思ってる矢先の公演延期でタイミング無くなっちゃった、とかではないので。断じてないので。


記者  ソウナンデスネ。では、最後に一言お願いいたします。


大竹  「〆!」も「MINE」も今後必ず上演いたします。その時まで待っていてください。ユトサトリ。を気にかけてくださっている皆さん、そしてコロナウイルスに告ぐ。

せーの。


3人  覚えてろ?


記者  ……ありがとうございました。



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